「顔採用をしている企業って、結局どこなんだろう?」
就活や転職の情報を調べていると、ほぼ確実に見かける疑問です。
SNSや掲示板では「あの会社は顔採用」「美男美女しか受からない」という声が飛び交い、容姿に自信がない方ほど「自分には無理かも」と不安になってしまう。その気持ちは、就活支援の現場でも数えきれないほど見てきました。
先に結論をお伝えすると、「顔採用をしている」と公表している企業は、調べた範囲では確認できません。噂が集中するのは特定の業界に偏っており、その多くは『容姿そのもの』ではなく『第一印象や清潔感』が評価された結果だと考えられます。
塩村私はこれまで500人を超える就活生の支援に関わってきました。その経験も踏まえて、噂の構造をフラットに整理していきます。
この記事では、当サイトが企業ごとに調べてきた調査結果をもとに、「顔採用」と噂されやすい企業・業界の傾向、噂が生まれる仕組み、そして自分が受ける企業の実態を見分ける方法までを整理します。
この記事で分かること
- 「顔採用の企業」を一覧・ランキングで断定できない理由
- 「顔採用」が噂されやすい業界と、大手・有名企業に多い理由
- 噂が生まれる4つの構造と、その真偽の見分け方
- 法律上「顔採用」はどう扱われるのか(違法かどうか)
※本記事は2026年7月時点の公開情報・各社採用ページ・口コミサイト・公的機関の資料をもとに、当サイトが検証したものです。特定企業の選考実態を断定するものではありません。
そもそも「顔採用の企業」とは?言葉の意味と実態を整理


「顔採用の企業」を探す前に、まず「顔採用」という言葉が何を指しているのかを整理しておく必要があります。ここが曖昧なまま企業名だけを追うと、噂に振り回されてしまうからです。
「顔採用」という言葉が指しているもの
一般的に「顔採用」とは、応募者の顔の造形や容姿の良し悪しを、選考の合否基準にすることを指す言葉として使われています。
ただし、この言葉はかなり曖昧に使われているのが実情です。就活生が「顔採用だ」と感じる場面をよく聞くと、実際には次の3つが混ざっていることがほとんどでした。
- 顔の造形そのもの(生まれ持った目鼻立ちなど、本人が変えにくい要素)
- 清潔感・身だしなみ(髪型・肌・服装など、準備で整えられる要素)
- 第一印象・表情(笑顔・姿勢・声のトーンなど、練習で変えられる要素)
このうち②と③は容姿とは別物ですが、就活生の目には『まとめて顔の良さ』に見えてしまう。ここが、噂と実態がズレる最大のポイントだと考えられます。
「顔採用の企業」を一覧・ランキングで断定できない理由
結論から言うと、「この企業は顔採用」と断定できる一覧やランキングは、公開情報からは作れません。理由は主に3つあります。
- 公表がない:容姿を採用基準にしていると公式に認めた企業は、調べた範囲では見当たりません
- 証明できない:不採用の理由は本人にも開示されず、「顔で落ちた」を客観的に立証する手段がありません
- 反例が多い:どの企業でも「容姿に自信のある人が落ちた」という声が同時に存在します
つまり「顔採用の企業ランキング」を掲げるサイトがあったとしても、それは印象や噂を並べたものであって、事実の裏付けがあるものではない、という点は押さえておきたいところです。
「◯◯社は顔採用」という断定は、根拠のないレッテルになりかねません。当サイトでも、企業名を挙げる際は、都度「公開情報からは確認できるか」という視点で検証しています。
企業別に調べて見えてきた共通パターン
当サイトでは、マクドナルドやJAL、電通など、「顔採用」と検索される企業を1社ずつ調べてきました。
結果として、ほぼすべての企業で共通する着地点が見えてきました。それが次の3点です。
- 容姿を基準にした選考は、公開情報からは確認できない
- ただし第一印象・清潔感は、どの企業でも見られている
- その印象は、生まれ持った顔ではなく準備で整えられる部分が大きい



「顔採用かどうか」より、「何が見られているのか」を知る方が、対策には何倍も役立ちます。
「顔採用」が噂されやすい企業・業界の傾向【一覧】
「顔採用」の噂は、どの業界でも均等に立つわけではありません。特定の業界に、はっきりと偏っています。ここでは、噂が集中しやすい業界の傾向を整理します。
「顔採用」の噂が集中しやすい5つの業界
当サイトへの検索キーワードや、口コミサイトでの言及を見ると、噂は次の5業界に集中する傾向があります。いずれも「人と接する」「見た目の印象が仕事に関わる」という共通点を持っています。
| 業界 | 噂が立ちやすい理由 | 代表的な職種 |
|---|---|---|
| 接客・フード | 笑顔と印象が接客品質に直結する | 店舗スタッフ・クルー |
| 美容・化粧品 | 「美」を扱う企業として身だしなみ意識が高い | 美容部員・営業 |
| アパレル・百貨店 | ブランドの世界観を体現する人が集まる | 販売員・店頭スタッフ |
| 航空(CA) | 制服・メイク規定で印象が統一される | 客室乗務員 |
| エンタメ・ブライダル | 人前に立つ仕事で「華やかさ」が求められる | ダンサー・司会・プランナー |
ここで大切なのは、これらの業界が「顔で選んでいる」わけではないという点です。「印象が仕事の質に関わる職種だから、印象を見られている」だけであり、それが外から見ると『顔採用』に映っている、という構図です。
大手・有名企業ほど「顔採用」と言われやすい構造
もう一つの傾向が、大手・有名企業ほど噂が立ちやすいことです。これには、選考実態とは別の理由があります。
大手・有名企業に噂が集中する理由
・応募者が多く、倍率が高いため「選ばれた人=特別」に見える
・社員が人前に出る機会が多く、SNSで話題になりやすい
・知名度が高く、検索する人の母数そのものが多い
つまり「大手だから顔採用」なのではなく、「大手だから噂が可視化されやすい」というのが実態に近いと考えられます。倍率が高い企業ほど、落ちた人の「顔で選ばれたに違いない」という声も増えるためです。
当サイトが調査した「顔採用」が噂される企業一覧
参考までに、当サイトがこれまで個別に調査した企業を業界別にまとめます。いずれも、公開情報からは容姿を基準とする選考は確認できませんでした。気になる企業があれば、各記事で詳しい検証を読めます。
接客・フード業界
美容・化粧品・アパレル・百貨店
航空・エンタメ
金融・商社・コンサル・メーカー
こうして並べると、接客やブランドに関わる業界だけでなく、商社やコンサルまで幅広く噂が立っていることが分かります。これも「顔採用が特定業界の事実」ではなく、「印象を見られる場面が就活のあらゆる業界にある」ことの表れだと言えます。
なぜ「あの企業は顔採用」と言われるのか?噂が生まれる4つの理由
ここまでで「顔採用の企業を断定できない」ことは整理できました。では、なぜこれほど噂が広まるのか。企業を調べる中で見えてきた、4つの構造を解説します。
理由①ブランドイメージ採用で「似た系統」が集まる
アパレルや化粧品の企業では、自社のブランドイメージに合う人材を採用する傾向があります。その結果、社内に雰囲気の似た人が集まりやすくなります。
外から見ると「似た系統の人ばかり=顔で選んでいる」と映りますが、実際に見られているのはブランドの世界観への共感や、それを体現できる振る舞いです。顔の造形そのものではありません。
理由②ユニフォーム・メイク規定で印象が揃う
航空会社のCAが典型ですが、制服・メイク・立ち居振る舞いに統一された規定があると、働く人の印象は自然と似てきます。
「JAL顔」「ANA顔」という言葉があるように、同じ会社の人が似て見えるのは、入社後に会社のカラーに染まっていく結果であって、採用時点で顔を揃えているわけではない、と考えられます。詳しくはJALの調査記事でも触れています。
理由③受付・モデル派遣を「本体採用」と混同する
意外と多いのが、この誤解です。企業の受付やイベントコンパニオンが芸能事務所・モデル事務所からの派遣であるケースは珍しくありません。
「受付の人が美人だから、この会社は顔採用だ」という声は、実は派遣スタッフと本体の新卒採用を混同していることが多いのです。両者はまったく別の採用ルートで、選考基準も異なります。



受付=その会社の社員、とは限りません。ここを切り分けるだけで、噂の半分くらいは説明がついてしまいます。
理由④人気企業の高倍率が「選ばれし者」の印象を生む
倍率が数十倍にもなる人気企業では、内定者が「特別に選ばれた人」に見えます。そこに「きっと容姿も基準だったのだろう」という想像が加わると、噂が生まれます。
しかし高倍率の正体は、応募者が多いことであって、容姿でふるいにかけている証拠ではありません。むしろ人気企業ほど、志望動機や適性を深く問う傾向があります。
4つの理由に共通するのは、「結果として似て見える現象」を「顔で選んだ原因」と取り違えている点です。次章では、この噂の真偽を自分で見分ける方法を具体的に解説します。
「顔採用の企業」の見分け方|噂の真偽を確かめる5つのチェック
「自分が受ける企業は、本当に顔採用なのか」。噂に振り回されないために、自分で真偽を確かめる方法を知っておくと安心です。ここでは、当サイトが実際に企業を調査するときに使っている5つのチェックを紹介します。
まず公式採用ページを確認します。求める人物像に『主体性』『協調性』『理念への共感』が並び、容姿に関する記載がなければ、少なくとも会社として容姿を掲げていない証拠になります。
容姿に自信がある人でも落ちているのか、逆に『普通の見た目でも受かった』声があるか。両方が見つかれば、顔だけで決まっていない有力な傍証になります。
「受付が美人」は、多くが派遣スタッフで本体の新卒採用とは別ルートです。会社の顔として見える人と、選考で評価される人を混同しないことが大切です。
面接体験談に『志望動機を深掘りされた』『チームでの役割を問われた』とあれば、評価軸は中身にあります。容姿の話題が出た記録がほとんどないかも確認しましょう。
「顔採用」の書き込みが、実際の選考体験なのか、店頭で見た印象論なのかを区別します。印象論が出どころなら、事実として受け取る必要はありません。
この5つを通すと、多くの「顔採用」の噂は印象論か、派遣スタッフとの混同に行き着くことが分かります。個別企業の検証結果は、各企業の調査記事で確認できます。



私が企業を1社ずつ調べるときも、この手順で「事実」と「印象」を仕分けています。誰でも同じように検証できます。
法律で「顔採用」はどう扱われる?違法かどうかを正確に解説
「顔採用って違法じゃないの?」という疑問もよく聞きます。ここは正確に理解しておきたいポイントなので、法制度の一般論として整理します。
容姿を直接禁止する条文はない
結論として、「容姿で採用してはいけない」と直接定めた法律の条文は存在しません。そのため「顔採用=即違法」と単純化するのは正確ではありません。
一方で、企業の採用には『採用の自由』が認められていますが、それは応募者の基本的人権を侵してまで認められるものではないとされています。この線引きの土台になっているのが、次の厚労省の考え方です。
厚労省「公正な採用選考」の考え方
厚生労働省は、採用選考を「応募者の適性・能力に基づいて行う」という基本的な考え方を示しています。本籍や家族、思想・信条など、適性・能力に関係のない事項を採用基準にしないよう求めるものです。
公正な採用選考の2つの基本(厚労省)
① 応募者の基本的人権を尊重すること(人を人として見る)
② 応募者の適性・能力に基づいた基準で行うこと
容姿そのものは本来、職務遂行の適性・能力とは無関係です。したがって容姿を選考基準にすることは、この『公正な採用選考』の趣旨にはそぐわない、という整理になります。詳しくは厚生労働省「公正な採用選考の基本」で公開されています。
※本記事の法制度の記載は2026年7月時点の一般的な解説であり、個別事案の違法性を判断するものではありません。
それでも「清潔感・第一印象」は評価されるという現実
ここで誤解してほしくないのは、「顔は関係ない」=「見た目は一切関係ない」ではないということです。
清潔感・身だしなみ・表情・話し方といった『第一印象』は、多くの企業で評価に影響します。これは容姿の優劣ではなく、「仕事相手に与える印象」という職務上の適性として見られている部分です。就活支援の現場でも、ここを整えるだけで通過率が変わる人を何度も見てきました。
顔採用が不安な就活生へ|「容姿」より対策できる3要素
ここまで読むと、力を入れるべき場所が見えてきます。生まれ持った顔ではなく、準備で変えられる3要素に集中するのが、最も現実的な戦略です。
①清潔感・身だしなみ
髪型・肌・服装・爪など。お金や生まれつきの容姿とは無関係で、誰でも今日から整えられる領域です。第一印象の土台になります。
②第一印象(初頭効果)
最初の数秒の表情・姿勢・声のトーン。心理学で言う『初頭効果』で、ここで作られた印象は後から覆しにくいと言われます。笑顔と目線の練習で改善できます。
③コミュニケーション
結論から話す・相手の話を聞く・志望動機を自分の言葉で語る。面接で最も配点が大きいと考えられる部分で、対策の効果が出やすい領域です。
- 清潔感・身だしなみ
- 表情・姿勢・声のトーン
- 志望動機・自己PRの言語化
- 生まれ持った顔の造形
- 身長・骨格などの身体的特徴
対策しにくい部分に悩むより、左タブの「できること」に時間を使うほうが、合否への影響は大きいと考えられます。



顔採用を気にする時間を、清潔感と第一印象の準備に回す。これが、私が就活生にいちばん伝えたいことです。
「顔採用の企業」に関するよくある質問
- 顔採用の企業をランキングや一覧で知ることはできますか?
-
「顔採用をしている」と断定できる企業ランキングは、公開情報からは作れません。容姿を採用基準にしていると公表した企業は確認できず、不採用理由も開示されないため、事実として証明する手段がないからです。詳しくは「断定できない理由」をご覧ください。
- 顔採用は、どの業界に多いと言われていますか?
-
噂が集中しやすいのは、接客・フード、美容・化粧品、アパレル・百貨店、航空(CA)、エンタメ・ブライダルの5業界です。いずれも「印象が仕事に関わる職種」で、それが外から顔採用に見えていると考えられます。詳しくは「噂が集中しやすい5つの業界」で解説しています。
- 大手・有名企業は顔採用が多いのですか?
-
「大手だから顔採用」という事実は確認できません。応募者が多く倍率が高い、社員が人前に出る機会が多い、検索する人の母数が多い、といった理由で噂が可視化されやすいのが実態に近いと考えられます。
- 顔採用は違法ではないのですか?
-
容姿を採用基準にすることを直接禁止する条文はなく、「顔採用=即違法」と単純化はできません。ただし厚生労働省は、適性・能力に基づく「公正な採用選考」を求めており、容姿を基準にすることはその趣旨にそぐわないと整理されます。詳しくは「公正な採用選考の考え方」をご覧ください。
- 受付や広報がきれいだと、その会社は顔採用ですか?
-
必ずしもそうとは言えません。企業の受付やイベント対応は、芸能・モデル事務所からの派遣であることが多く、本体の新卒採用とは別ルートです。会社の顔として見える人と、選考で評価される人を切り分けて考える必要があります。
- 容姿に自信がなくても内定は狙えますか?
-
狙えます。多くの企業で見られているのは容姿の造形ではなく、清潔感・第一印象・コミュニケーションで、いずれも準備で整えられる要素です。対策の方向性は「対策できる3要素」で解説しています。
顔採用の「企業リスト」より、対策できる部分に集中しよう
「顔採用の企業はどこか」を調べ尽くしても、断定できるリストは存在しません。噂の多くは、印象・ブランド・派遣スタッフの混同から生まれています。
だからこそ、限りある就活の時間は「顔採用かどうかの不安」ではなく『対策できる部分』に使うのが得策です。気になる企業があれば、当サイトの個別調査記事で実態を確認してみてください。
- 「顔採用の企業」を断定した一覧・ランキングは公開情報から作れない
- 噂が多いのは接客・美容・アパレル・航空・エンタメの5業界
- 大手ほど噂が立つのは倍率と知名度が理由
- 噂の正体は印象・ブランド採用・派遣スタッフの混同
- 容姿を直接禁止する条文はないが公正な採用選考が原則
- 集中すべきは清潔感・第一印象・コミュニケーションの3要素
容姿に自信がないことは、内定を諦める理由にはなりません。見られているのは、あなたが準備で変えられる部分です。前を向いて、対策から始めていきましょう。
※本記事は特定企業の顔採用を断定するものではありません。記載内容について訂正・削除のご要望がある企業・関係者の方は、お問い合わせページよりご連絡ください。確認のうえ、誠実に対応いたします。
参考文献・出典
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」(2026年7月時点で確認)
- 厚生労働省「採用選考時に配慮すべき事項」(2026年7月時点で確認)
- 各社公式採用ページ・募集要項(2026年7月時点で確認)
- 当サイト内 各企業の顔採用調査記事


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